令和8年6月17日(木)
1. 目的
(公財)東京都道路整備保全公社では、都内で行う道路建設工事や道路関連施設などを見学する道路見学ツアーを企画・運営し、道路整備や維持管理の必要性をPRするとともに、都民の皆様が道路行政に理解を深める機会を創出しています。
2. ツアー概要
今回は、令和8年6月17日(木)に「土木材料試験センター見学ツアー」を実施しました。
土木材料試験センターは、公共工事等で使用される土木材料の性能試験を行う公的機関で、昭和61年から公社が運営しております。
ツアーでは、概要説明とビデオ視聴のあと、土木材料試験センターで鉄筋・コンクリート・アスファルトといった様々な土木の材料に直接触れながら実際の試験を見学しました。あわせて、東京都土木技術支援センターで、遮熱性舗装や排水性舗装などの舗装展示物や、電線共同溝特殊部モデルなどの展示物を見学しました。
3. 当日の流れ
①見学前の事前説明
研修室では、公社職員による挨拶、ガイダンス、概要説明のあと道路についてビデオの視聴を行いました。
職員からの概要説明
道路についてのビデオ視聴
②土木材料試験センター見学
アスファルトは高温を保つことにより流動(変形)し加工ができます。はじめに、冷めた状態のアスファルト混合物※に実際に触れた後、加熱されたアスファルト混合物を混ぜ合わせることで、それぞれの感触の違いを体感しました。
(※アスファルト混合物は主に道路のアスファルト舗装の表面に使われている土木材料です)
加熱したアスファルト混合物については、型に入れ機械で押し固め、試験用に成型するまでの一連の流れを見学しました。
また、アスファルト混合物が、どのように製造プラントから、道路工事の現場まで運搬されるか、ミニチュアや写真を用いた説明も聞き、楽しみながらアスファルトについての知識を深めました。
アスファルト混合物の作製
冷めたアスファルト混合物に触れる
混合前の材料に触れる
加熱されたアスファルト混合物
試験用型入れ
アスファルト混合物の運搬について
次に、職員からアスファルト試験の目的や試験の方法、試験機の説明を受けながら試験場を見学しました。
密度試験では、試験のデモンストレーションのほかに、缶を加工した錘(おもり)を手に取って、体積と重さを把握することで物の密度を体感し、また、60℃に温められたアスファルト混合物を手で曲げてみることで、夏場など熱せられたアスファルト混合物が容易に変形しやすいことを体験しました。
密度試験
アスファルト混合物の質量と体積を測定し密度を算出する試験。水中での物質の浮力を利用し、密度が算出される。
密度試験デモンストレーション
浮力の計算について説明
錘を持って密度を体感
マーシャル安定度試験
アスファルト混合物の配合設計を決定するための試験。一定の速度で荷重を加え、変形と荷重値を測定することで、アスファルト混合物の強度を測り、最適な配合設計かを調べる。
マーシャル安定度試験
ホイールトラッキング試験
アスファルト混合物がどの程度流動(変形)しにくいかを測定する試験。夏の路面温度を再現した60℃の試験装置の中で温められたアスファルト混合物の流動性・耐久性を測る。
ホイールトラッキング試験装置
温まったアスファルト混合物を手で曲げる
続いて、橋梁や道路などに使われるコンクリートや鉄筋の試験を行う試験機の説明を受けながら、実際の試験を見学しました。
コンクリートは、圧縮する力に対して強い性質を持つ反面、引っ張られる力に対しては脆いため、鉄筋や鉄骨と組み合わせて使用されることが多く、アルカリ性のため、内部の鉄筋の酸化を防ぐというメリットもあります。
コンクリートや鉄筋の試験には大きな力が必要なため、試験機も大きく、迫力のある試験のデモンストレーションを見学することができました。
コンクリートの圧縮試験
コンクリートやモルタルなどの圧縮強度を測定する試験。最大2,000kNの圧力をかけ、物質の強度を測ることができる。
コンクリートについての説明
コンクリートの圧縮試験
フェノールフタレイン溶液でアルカリ性と判断
引張試験
鉄筋等金属材料の引張力に対する性質を把握するための試験。鉄筋は溶接や圧接により接合し使用されることが多く、接合部分の引張力が、鉄筋自体の引張力より弱くないかを試験する。接合部分の引張力の方が強ければ、鉄筋自体が先に試験機の力によって破断する。
様々な鉄筋の接合方法
試験機によって引っ張られる鉄筋
破断され、熱を持った鉄筋を触る
③東京都土木技術支援センターの案内
低炭素アスファルト混合物や、遮熱性舗装といった、道路工事のCO2発生量を抑える舗装や、ヒートアイランド対策につながる舗装についてのビデオを視聴しました。その後、東京都土木技術支援センター職員の説明を受けながら、舗装の展示に実際に触れたり、試したりして、舗装の違いによって道路や周辺環境に好影響をもたらすことを学びました。また、無電柱化のための電線共同溝の特殊部モデルについて説明や、アスファルト舗装のひび割れやわだち掘れなどの損傷についても実物大舗装損傷モデルで学びました。
ビデオ視聴
遮熱性舗装の仕組みを動画で学ぶ
ジオラマで路面補修工事を理解
舗装展示物
遮熱性舗装の効果を体感
排水性舗装の機能を知る
歩道路面の滑り防止加工の比較
電線共同溝の特殊部モデル、実物大舗装損傷モデルについて
電線共同溝特殊部の中をのぞく
舗装の損傷を知る
④閉会・質疑応答
研修室に戻り質疑応答が行われ、ツアーは閉会となりました。
日常生活ではあまり意識することのない土木材料ですが、実際の試験に接することを通し、材料試験の意義についての理解が深まるにつれ、見学中にも多くの質問を頂きました。また、質疑応答では、アスファルト舗装やコンクリートについて、日々の都道の管理・補修について、無電柱化の進捗についてなど、様々な視点からのご質問や、感想を頂きました。
質疑応答①
質疑応答②